「ネクタイって、何の意味があるのだろう。」
スーツを着用される方であれば、一度は疑問に思った経験があるのではないでしょうか。
確かにネクタイは、首に巻き付けるだけの装飾アイテムです。
ですが、“ネクタイを締める”という意味は、とても大きいもののように感じます。
近年カジュアル化していると言われているビジネスシーンですが、ここぞという場面ではネクタイは欠かせないアイテムではないでしょうか。
無くても良いはずなのに、自分自身のモチベーションの為、またはお相手への敬意を表すスタイルとして・・など、その理由は様々です。
また、ネクタイ着用がドレスコードとなっているレストランなどもあり、ネクタイを着用するだけで信用が格上げされるような、そんな不思議な力を持ったアイテムでもあります。
では、そんなネクタイはどんな形で生まれたのでしょうか。
スーツスタイルを大きく左右する、ネクタイの謎を解き明かしていきたいと思います!
ビジネスマンにとって、スーツは毎日着るもの。あなたも、スーツに合わせる“ネクタイ”や“タイピン”の選び方に悩んだことがありませんか?しかも、ビジネスシーンの中でも場面によって適[…]
◇◆ネクタイの歴史と意味
古代ローマでは“ファカール”と呼ばれる布を首に巻き付けていたそうです。
これは、家族や恋人からお守りとして託されたものを首に巻き付けた、とされています。
17世紀後半、傭兵としてクロアチア兵がフランスを訪れたときのことです。
フランス国王であるルイ14世は、ファカールの伝統が色濃く残るクロアチア兵の姿に反応しました。
クロアチア兵が首に巻く、鮮やかな布が気になり「あれはなんだ?」と側近に訪ねました。
すると、勘違いをした側近は「クラバット(クロアチア兵)です。」と答えたことから、この布のことをクラバットと呼ぶようになりました。
このような経緯から、ネクタイのことをフランス語でCravate(クラバット)と言います。
そして、クラバットはヨーロッパ全域に浸透していきます。
紳士の国イギリスでもクラバットが定着し、“ネクタイ”と呼称を変え、スーツスタイルに欠かせないアイテムとなりました。
イギリスはロンドンで「“ボウタイ”(蝶ネクタイ)」が誕生します。
これはクラバットの結び目だけを残したシンプルなデザインで、現在では燕尾服やタキシードの着用する際の必須アイテムとなります。
ボウタイは現在ではピアネスタイと呼ばれ、最初から結んでありホックで留めるだけの簡易タイプが主流と言えますが、本来は手結びが基本です。
結ぶのに失敗して、やり直すとなるとタイにシワの跡が残り、みすぼらしくなるため、タイを結ぶのは1発勝負です。
それだけ、ネクタイを結ぶのに気持ちを込め着衣するという事が、お相手への敬意の表れだと言われております。
19世紀後半になると、現在のネクタイの原型である「“フォア イン ハンド”」が登場します。
現在のネクタイと同じく細長い形状をしており、シンプルなデザインと使いやすさから、一気に広まっていくこととなります。
スーツとは、「同じ生地で作成したそろいの上下」のことです。スーツスタイルは、ネクタイ・シャツで変化はあるものの、スタイリングのほとんどが同じ生地で構成されています。 […]
「TPO」という言葉を皆様一度は耳にしたことがあるかと思います。TPOの意味がなんとなく分かるという方は多いかと思いますが、果たして実行できているでしょうか。 […]
◇◆ネクタイの柄【特性と意味】
ネクタイの柄について、考えてみましょう。
ネクタイを合わせる際、スーツが無地の場合は柄のネクタイ、スーツがストライプの場合は、ストライプ以外のネクタイにするなど、柄合わせでコーディネートをしている方がほとんどであると思います。
しかし、ネクタイの柄が持つ特性を理解することは重要です。
柄合わせや色合わせだけでなく、そのネクタイが持つ柄の意味を知ることで、今までと違った目線でコーディネートができるはずです。
■レジメンタルストライプ柄ネクタイ
その名の通りレジメンタルストライプとは、16世紀ごろの英国陸軍旗が発祥と言われております。
所属している連隊によって柄は異なり、19世紀ごろになると、所属する連隊旗と同じ柄のネクタイを締めるようになりました。
このことからもお分かり頂けるように、レジメンタルストライプは、自身の所属やルーツを表すものです。
お好みで選んだレジメンタルタイが、自身とは何の関係性もない有名大学を象徴するデザインであった・・という失敗談もありますので、レジメンタルを着用する際には注意が必要です。
また、レジメンタルストライプには、縞の方向が右上がりと右下がりの、2種類があるので注意が必要です。
厳密には右下がりの縞はレジメンタルタイでは無く、「レップタイ」と呼ばれ、英国式のレジメンタルタイを模して作成されたと言われております。
1992年、英国皇太子であるウィンザー公が訪米しました。
その時に着用していたレジメンタルタイがアメリカで話題となり、ブルックスブラザーズがストライプを反転させて作成したのが始まりとされています。
スーツほど“コーディネートが簡単であり難しい洋服”は無いのではないでしょうか。スーツのコーディネートを考えてみますと、「スーツの上下」「シャツ」「ネクタイ」「シューズ」を合わせるだけで[…]
■ドット柄ネクタイ
ドットの大きさで印象が大きく変化しますが、1、2mmほどの小さなドット柄は「ピンドット」呼ばれ、格式が高く式典やパーティシーンなど、様々な場面で活用できる万能選手です。
各国のリーダーも国際会議など際に、よく着用されているようです。
5mm~10mmといった大柄のものは「ポルカドット」と呼ばれ、ドットの中ではカジュアルな印象が強く、スーツスタイルのアクセントとしておすすめです。
■小紋柄ネクタイ
織で柄を表したものや、プリントで表現されているものまで様々ですが、やはりそのデザインは小さいものがクラシカルとされています。
大柄のものなどややカジュアルなテイストで、着こなしのアクセントにうってつけです。
小紋柄の守備範囲は広く、どんな柄のスーツスタイルでもマッチしやすく、迷ったときは小紋柄のネクタイを選んでおけば、間違いない・・。というのは大げさでしょうか。
それほど使い勝手が良い柄と言えるでしょう。
■ソリッドタイ
タイドアップスタイルの際の基本であり、ネイビーのソリッドタイは必ず持っていて頂きたい1本です。
シンプルなデザインほど奥深く、マットなもの、光沢感のあるものから、織りや素材でその表情は様々です。
また、お祝いの際はホワイト、シルバー、お悔やみの際はブラックなど、冠婚葬祭でもやはりソリッドタイとなります。
デザインによって違いはありますが、基本的にブラックのソリッドタイは、ビジネスなどのスーツスタイルには不向きです。
濃いお色でお探しの場合は、前述した通りネイビーがおすすめです。
冠婚葬祭などの一年に1度あるかないかの催し事に何を着ていこうかと考えることはあるでしょうか?あまり深く考える方はそう多くはないと思います。 簡単に言ってしまえ[…]
◇◆ネクタイの意味と上手な合わせ方【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
ネクタイの歴史から、柄の違いについてご説明をさせていただきました。
何となく、柄や色でコーディネートしていたネクタイも、意味を知ると着用するシーンやスーツによって変化が出てくるかもしれません。
小紋の柄が大きいものはカジュアルなテイストですので、目上の方をお会いする際は小さめのドット柄を選択したり・・・。
ストライプ柄は自身のルーツを表すことがあるので、海外の方との商談の際は、コーディネートしやすい小紋柄にしよう・・・。
などなど、考えだすと面白いものです。
また、テレビニュースなどで各国のトップの方々のネクタイ選びや、実際にお会いする同僚やお取引き先のお相手などのネクタイを観察してみるのも参考になるでしょう。
ネクタイ選びで、日々のスーツスタイルをアップデートしましょう!
ビジネスマンにとって、スーツは毎日着るもの。あなたも、スーツに合わせる“ネクタイ”や“タイピン”の選び方に悩んだことがありませんか?しかも、ビジネスシーンの中でも場面によって適[…]