色彩検定とは、文部科学省後援の公的資格で、色に関する資格はいくつかありますが、色彩検定は主にファッションに特化している資格になります。
初めて色彩関連の試験を受ける方におすすめの検定で、【略称はA・F・T】とも呼ばれています。
色はその効果によって多くのことに影響を及ぼします。
色は相手に与える印象や自分のメンタルなどに影響し、食欲や温度・環境なども色で表すことができる表現豊かな多様な分野となります。
かく言う私も色彩検定1級(3級~1級まで)を所持していますが、過去にアパレルスタッフとしてカラー視点でコーデを決める、勧めるシーンも多くあるので、ファッション業界に勤めたい方にもおすすめの資格となっております。
今回はそんな色彩検定資格のメリットや受験難易度、合格への近道や勉強方法を余すことなく紹介していきます。
セレクトショップの店頭に並んでいる商品は、企画、製造されて店頭に並ぶまで多くの人たちが関わっています。 アパレル業界には多くの職種があり、中にはあまり知られていないものもありま[…]
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◇◆色彩検定のメリット【仕事へのアプローチ】
取得の最大のメリットは色を理論的に学ぶことができ、得た知識をすぐに実践に活かせる点です。
1950年〜現代に至るまでのファッションのトレンドカラーやアパレルビジネスの体系・商品企画・繊維素材などについても学習でき、ファッションだけでなく色彩関連の基本、色の効果や光と色について、色彩の生活・心理・測色などに関することを幅広く基本から勉強でき、仕事や趣味に活用することが可能です。
色は単色使いではなく、複数の色同士の組み合わせで効果が発揮されます。
色は隣接した色が同士が互いに影響し、その効果により色が変化して見え、見え方に影響がでます。
どんな配色にすれば目を引き、売上や集客が可能なのか、視覚からの情報は90%ともいわれています。
3級・2級は色彩の基礎や実務に向きの資格となり、ファッションやアパレル業界、美容・デザインの仕事だけでなく、出版・広告業界、インテリアなどの建築・工業・空間デザインやフラワー業界・飲食業界・イベント業界等で活躍することができます。
どの職種も色を扱うケースが多く、資格を得ることで、プロの目線で提案、判断するとこができるようになります。
【合格のポイント1】色彩検定をデータでみる!
試験は希望の級からの受験ができ、毎年多くの方々がチャレンジしています。すでに150万人以上が受験しています。
基本マークシートでの回答となり、級が上がるにつれ記述式、実技が一部加わります。
級が上がるにつれ、長期的な学習が必須ではありますが、自分のペースに合わせ合格を目指しましょう。
1級 | 2級 | 3級 | |
志願者 | 1,651人 | 12,666人 | 27,051人 |
合格率(%) | 44.7 | 67.4 | 74.4 |
3級 | 2級 | 1級 | |
実施時期 | 夏季(6月)冬期(11月) | 夏季(6月)冬期(11月) | 冬期のみ1次試験(11月)2次試験(12月) |
試験方式 | マークシート形式 | マークシート形式(一部記述式) | 1次:マークシート形式(一部記述式)2次:記述方式(一部実技) |
検定料 | 7.000円 | 10.000円 | 15.000円※1次免除者も同じ |
試験時間 | 70分 | 80分 | 1次:90分2次:90分 |
受験資格 | 制限なし何級からでも受験:可 | 制限なし何級からでも受験:可 | 制限なし何級からでも受験:可 |
合格ライン | 満点の70%前後 | 満点の70%前後 | 満点の70%前後 |
※合格ラインは問題の難易度により変動あります
試験結果は試験から約1ケ月後を目安に色彩検定公式ホームページにて合格者を一覧で確認することが可能です。
その後、合格者には合格証書・資格証が郵送されてきます。
【合格のポイント2】検定を取得する理由を明確にする!
試験を受ける目的は何なのかを決め、それによって受験する級や勉強スケジュールを組み立てます。
取得が目的であれば合格ラインでもいいでしょうが、実践にに活かすの場合は合格はもちろんですが、記憶に残る学習が必要となります。
3級、2級、1級と各級位ごとの特徴や、扱える詳細を明記しておきます。
色のはたらき | ・色のはたらき | 色彩調和 | ・配色の基本的な考え方・色相を手がかりにした配色・トーンを手がかりにした配色・色相とトーンを組みあわせた配色・配色の基本的な技法・配色演習の解答例と解説 |
光と色 | ・色はなぜ見えるのか?・眼のしくみ・照明と色の見え方・混色 | 配色イメージ | ・色の三属性と配色イメージ |
色の表示 | ・色の分類と三属性・PCCS | ファッション | ・ファッションと色彩 |
色彩心理 | ・色の心理的効果・色の視覚効果 | 慣用色名 | ・慣用色名(JISの慣用色名より) |
インテリア | ・インテリアと色彩・インテリアのカラーコーディネー ション・インテリアにおける色の心理効果 |
色のユニバーサルデザイン | ・色のはたらき・色のユニバーサルデザイン・色覚説 | ファッション | ・ファッションの色彩と配色 |
光と色 | ・光と性質と色・視覚系の構造と色・照明 | 配色イメージ | ・イメージ別配色法 |
色の表示 | ・マンセル表色系 | 景観色彩 | ・景観と色彩・地域の気候風土がつくりだす景観 色彩・景観色彩における色彩の基礎知識・生活環境における景観色彩設計 |
色彩心理 | ・色の視覚効果・色の心理効果 | 慣用色名 | ・慣用色名(JISの慣用色名より) |
色彩調和 | ・色彩調和・自然の秩序からの色彩調和・自然から学ぶ配色・配色技法 | ビジュアル | ・ビジュアルデザインの色彩・メディアデザインの色彩 |
インテリア | ・住空間のインテリアとは・住空間のインテリアカラー コーディネーション・住空間におけるインテリア の配色構成・インテリアスタイルと色彩 |
色彩と文化 | ・ヨーロッパの色彩文化・日本の色彩文化 | 色彩とビジネス | ・色彩のビジネス活用・カラーコミュニケーションツールの役割・コンシューマプロダクツのビジネスプロ セスと色彩・カラーマーケティング・CMF |
色の表示 | ・XYZ表色系・均等色空間とL*a*b*色空間・オストワルト表色系・NCS・色名 | ファッション | ・ファッションカラーの変遷・ファッションビジネスにおけるカラー コーディネーターの役割・素材の知識・ビジュアルマーチャンダイジングと色彩 |
光と色 | ・心理的な見えによる色の分類・照明・混色 | 景観色彩 | ・景観法とは・景観計画における色彩基準・遠景・中景・近景を踏まえた色彩計画 |
色彩調和論 | ・色彩調和論 | 測色 | ・測色 |
色彩心理 | ・心理評価法・色の心理的効果・色知覚の複雑性 |
◇◆実際に出題される問題例
ここでは例年出やすい出題例を2問挙げておきます。
問題の傾向を理解して、ぜひシミュレーションしてみてください。

①新橋色 大正時代に流行した色である
②瑠璃色 宝石の色からつけた色である
③群青色 染料とする色である
④紺色 藍染の色である
- 答えはこちら
- 回答:①

①アーガイル地方に由来する格子柄である
②スコットランド高地人が用いていた家紋としての格子柄である
③市松模様ともいう、濃淡を並べた格子柄である
④千鳥格子とヘアラインと呼ばれる格子柄である
- 答えはこちら
- 回答:②
【合格のポイント3】勉強法とおすすめテキスト
色彩検定テキストは種類が多くネットでもたくさんの情報は得ることができます。
まずは公式テキストを準備しましょう。
テキストも改定することがありますので、必ず最新のテキストを準備します。
購入は書店や色彩検定公式ホームページ、ネットショッピングサイトで購入することが可能です。
3級、2級は2週間程度で合格する方もいるようですが、記憶力がよく、集中力が高い方かと思われます。
平均は数ヶ月かかる傾向にあります。
内容を把握する程度にとどめ読み進めていきましょう。
はじめは慣れないため時間を多く取られがちです。1回で理解するのではなく、自分が興味をもった項目、理解するのが難しそうだなと思う所を確認しましょう。
その後は早速過去問を解きます。はじめはできない問題のが多いですが、案外と1度読むだけでもすんなりと回答できる箇所があります。
色彩検定はまんべんなくどの箇所からも出題されます。
たくさんの項目があり興味の有無が分かれがちですが、暗記することが多いので、自分の理解度をしっかり確認しましょう。
時間に余裕がある方は再度テキストを読んでおきましょう。
■合格のための豆知識
色相環やトーン表は配色カードで実際に色相環やトーン表を作り、スマホの色彩検定用のアプリを活用してみたり、私は慣用色名などは単語帳を作り覚えました。
1ヶ月前からの勉強にはとにかく問題を解くことをおすすめします。
私自身はじめは参考書ばかりに目を通しなんとなく認識したような気でいました。
いざ問題集を解いてみると、正解率が上がらず、同じ箇所で間違えることも多かったです。
時間には限りがあるため、問題を解いてからテキストを読み返すことで理解度が高まったように私は感じたので、実際にその方法で約3ヶ月で独学で1級に合格することができました。
この辺りの問題集を完璧にマスターできれば、色彩検定の合格にグッと近づけますので頑張っていきましょう‼
◇◆色彩検定を合格したあとは?
色彩を学ぶことで感覚ではなく理論的に色を見るころができるようになり、色に対する表現力や提案力がアップします。
ファッション関係の類似したものに、パーソナルカラリスト検定・骨格診断があります。
パーソナルカラリストとはどんな色がその人に似合うのかを学ぶことができ、骨格診断とは最もスタイルが綺麗に見える着こなしを導き出すことができます。
色彩検定後に学習すると理解度が格段に上がり、他の検定にも合格しやすくなります。
気になる方はこちらをご覧ください!
似合う色とはどんな色でしょうか?似合う色の定義には、個人差があり感覚的なものです。パーソナルカラーは、生まれながらにして持っている肌の色・瞳の色・髪の色などを基本にその人に似合う色を診[…]
検定はスキルアップだけでなく、学ぶ楽しさ、知る面白さを感じることができ、そして検定試験とは新しいことにチャレンジするツールでもあります。
◇◆色彩検定(A・F・T)【まとめ】
色彩検定合格までの道のりを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
検定を取得し、スキル・キャリア・趣味として大いに役立てていきましょう。
色彩検定には、色彩会員サービスがあり、私も検定後改めて色への関心が深まり登録をし、定期的に色彩事情に関する最新情報をチェックしています。
AFTジャーナル別冊の問題集等もあり、受検対策にも役立てることができます。
詳細は色彩検定公式ホームページにてぜひご確認ください。